1. 川崎病とはどのような病気ですか?

2. RAISE Studyとは?

3. どういう試験デザインですか?

4. UMIN IDについて教えてください

5. RAISE Studyのホームページについて教えてください

6. 重症川崎病の定義はどのように決めるのですか?

7. 割付けで対照群に入った患者は、免疫グロブリン超大量+プレドニゾロン

  初期併用療法を行う群と比べて不利益を被るのでは?

8. 本研究で用いられるプレドニゾロンの安全性は確認されているのでしょうか?

9. ステロイドの投与方法としてなぜメチルプレドニゾロンパルス療法を行わないのですか?

10. 治療抵抗例に対してどの様な追加治療を行ってよいのでしょうか?

11. どうして心エコーをビデオ録画しなければならないのでしょうか?

1. 川崎病とはどのような病気ですか?

 川崎病は川崎富作先生が1967年に初めて報告した小児期に好発する原因不明の血管炎症候群です。無治療では約25%に冠動脈後遺症解説を生じますが、免疫グロブリン超大量療法の開発により、冠動脈後遺症の頻度は減少しました。しかし未だに川崎病は先進国における後天性心疾患最大の原因であり、日本では年間1000名を超える何らかの冠動脈病変を合併する患者が発生しております。そのため新たな治療法の開発が急がれております。

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2. RAISE Studyとは?

 重症川崎病患者に対する免疫グロブリン超大量+プレドニゾロン初期併用療法の効果を多施設共同無作為化比較試験で検討する臨床試験です。

RAISEは、Randomized controlled trial to Assess Immunoglobulin plus Steroid Efficacy for Kawasaki disease(川崎病に対する免疫グロブリンステロイド併用療法の効果を評価するランダム化比較試験解説)の略です。

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3. どういう試験デザインですか?

 前方視的無作為化比較試験です。治療群には、免疫グロブリン超大量+プレドニゾロン初期併用療法を行います。対照群は、現在厚生労働省で認可されている免疫グロブリン超大量療法を行います。選択基準にあてはまった患者さんは、Allocation Centerから無作為にどちらかの群に割付けられます。

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4. UMIN IDとパスワードについて教えてください

 UMIN IDはUMIN(大学病院医療情報ネットワーク)のサービスを受けるのに必要なIDです。RAISE Study参加研究者は原則として1つのUMIN IDと2つのUMINパスワードを持つことになります。パスワードの1つはUMIN一般サービス用(電子メールや学会演題登録などに使用)です。RAISE Study研究者用ホームページへのアクセスにもUMIN一般サービス用のパスワードが必要です。もう1つのパスワードは、インターネットデータセンター用パスワード(UMIN INDICE パスワード)で、RAISE Studyの症例登録の際に必要になります。
UMIN IDをすでにお持ちのかたは継続してそのIDおよびUMIN一般サービス用パスワードを使用できますが、UMIN INDICE パスワードはあらたに取得していただくことになります(手続きはRAISE Study事務局とUMINの間で行います)。

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5. RAISE Studyのホームページについて教えてください

 RAISE Studyのホームページには二種類あります。
参加研究者向け(アクセス制限あり:UMIN IDおよび一般サービス用パスワードが必要)
症例登録・割付け画面(アクセス制限あり:UMIN IDおよびUMIN INDICE パスワードが必要。URL非公開のため①の参加研究者向けホームページにアクセスの上、症例登録画面へのリンクをご利用ください。

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6. 重症川崎病の定義はどのように決めるのですか?

 群馬大学関連病院のデータベースを用い、免疫グロブリン超大量療法を施行した750症例から作成されたリスクスコア(Kobayashi T, et al. Circulation. 2006;113:2606-2612)を用いて重症川崎病を定義します。スコア点数5点以上を重症川崎病患者と定義すると、約3割の患者が重症川崎病であると判定されます。

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7. 割付けで対照群に入った患者は、免疫グロブリン超大量+プレドニゾロン初期併用療法を行う群と比べて不利益を被るのでは?

 免疫グロブリン超大量+プレドニゾロン初期併用療法は現時点で確立された治療ではなく、広く一般的に容認され必要とされている基本的な医療行為ではありません。「重症川崎病に対し免疫グロブリン超大量+プレドニゾロン初期併用療法が有効である」という主張に関する質の高いエビデンスはまだ存在しません。本研究は「重症川崎病に対し免疫グロブリン超大量+プレドニゾロン初期併用療法が有効な治療方法であるかどうかを科学的に探索するものであります。逆に言えば、対照群が不利益を被るというエビデンスも存在しません。

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8. 本研究で用いられるプレドニゾロンの安全性は確認されているのでしょうか?

 現時点では川崎病患者に対するプレドニゾロン投与の安全性は担保されておりません。群馬で行われた先行研究で、免疫グロブリン超大量+プレドニゾロン初期併用療法を行った患者に認められた副反応として、
① 一過性の食欲増多と肥満(満月様顔貌)
② 一過性の高コレステロール血症
③ 好中球優位で核左方変位を伴う一過性の白血球数増多
④ 感染症(124例中尿路感染症2名、ウイルス感染症3名)
⑤ 一過性の座位不能一名
等が発生いたしました。いずれの患者も速やかに改善し、後遺障害を残すことはありませんでした。

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9. ステロイドの投与方法としてなぜメチルプレドニゾロンパルス療法を行わないのですか?

 初期治療としての免疫グロブリン超大量+メチルプレドニゾロンパルス療法の有用性を検討する臨床研究は既に米国で行われました。結果、初期治療としての免疫グロブリン超大量+メチルプレドニゾロンパルス療法は免疫グロブリン超大量療法に比べて優れた臨床効果は確認できませんでした。そのため、今回の臨床研究では初期治療としてのステロイド投与としてメチルプレドニゾロンパルス療法は選択しませんでした。

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10. 治療抵抗例に対してどの様な追加治療を行ってよいのでしょうか?

 治療抵抗例に対する追加治療法は2003年に日本小児循環器学会より提案されたガイドラインを参考に、基本的にはRAISE Study施設登録時に設定して頂いた治療方針に沿って行って下さい。また、研究開始後に施設の追加治療方針が変更する場合は、RAISE Study研究事務局まで連絡して下さい。

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11. どうして心エコーをビデオ録画しなければならないのでしょうか?

 今回の臨床研究は治療方法が治療を行う主治医の先生や患者に対して公開されます。そのような場合、心エコー測定者が画像を都合よく解釈して偏った結果が出てしまう可能性があります。治療方法を知った測定者による思いこみ(バイアス)を排除するため、最終的な冠動脈病変の有無は治療方法を知らない第三者が評価するデザイン(PROBE法解説)を今回採用しました。心エコーの編集は研究事務局で行いますので、心エコーの画像は開始から終了まで録画し続けて下さい。

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RAISE 研究班
厚生労働省医療技術実用化総合研究事業
重症川崎病患者に対する免疫グロブリン・ステロイド初期併用投与の効果を検討する前方視的無作為化比較試験