0.1. シェーマ

0.2. 目的

重症川崎病患者(リスクスコア5点以上)に対する免疫グロブリン超大量+プレドニゾロン初期併用療法が、標準的治療である免疫グロブリン超大量療法よりも優れていることをランダム化比較試験にて検証する。

0.3. エンドポイント解説

Primary Endpointは試験期間中の冠動脈病変合併頻度、Secondary Endpointsは治療開始4週後の冠動脈病変合併頻度、右冠動脈、左冠動脈主幹部・前下行枝のZ Score、治療抵抗例の頻度、治療開始後解熱するまでの日数、治療開始1週後・2週後のCRP値、有害反応出現頻度とする。登録前、治療開始1週後、2週後、4週後の4点における心エコーをDVDもしくはビデオテープ録画し、盲検化のためデータセンターにて冠動脈病変の解析を行う。

0.4. 対象

1)リスクスコア5点以上の重症川崎病患者
2)発熱を伴っている
3)診断病日が第8病日以内
4)登録前に冠動脈病変を合併していない(心エコー検査)
5)川崎病に初めて罹患
6)川崎病類似疾患でない
7)活動性重症細菌感染症を合併していない
8)28日以内に内服、静注、筋注、皮下注の経路でステロイド投与を受けていない
9)180日以内にガンマグロブリン静注を受けていない
10)重篤な基礎疾患がない
11)文書で患者家族、もしくは本人の本試験への参加同意が得られている

0.5. 治療

〈G群:免疫グロブリン超大量療法(IVIG療法)〉
●IVIG 2g/kg/dayを24時間かけて点滴静注してください。
●初期治療としてアスピリン(ASA)30mg/kg/day分3を併用します。
 AST、ALTが治療開始前に上昇している患者でも、基本的にはASA投与を行ってください。解熱確認後は5mg/kg/day分1に減量していただいて構いませんので、施設の方針に従って減量してください。

〈P群:免疫グロブリン超大量+プレドニゾロン療法(IVIG+PSL療法)〉
●G群の治療に加え、プレドニゾロン(PSL)2mg/kg/day静注を初期治療として併用します。静注時PSLは1日3回に分けて投与します。PSLは最低5日間経静脈的に投与し、PSL投与開始6日後以降、解熱しているようであれば投与方法を経口(分3)に変更しても構いません。
●CRP0.5mg/dL以下になった時点を1日目として5日目まで2mg/kg/day分3の投与を継続し、6〜10日目まで1mg/kg/day分2、11〜15日目まで0.5mg/kg/day分1とPSL投与を漸減中止して下さい。
●再燃が疑われた際にPSLの再増量や投与期間の延長は可としています。
●PSL投与中はファモチジン0.5mg/kg/dayを併用して下さい(経口、静注どちらでも可)。

PSLの最大投与量は60mg/dayとする。そのため体重30kg以上の患者に対してはPSLを60mg/day→30mg/day→15mg/dayと減量する。

0.6. 登録数と研究期間の予定

予定登録数:392例
登録期間:3年。追跡期間:登録終了後1ヶ月。総研究期間:3年1ヶ月

0.7. 問い合わせ先

適応基準、治療変更基準等臨床的判断を要するもの、登録手順 → 研究事務局
経過記録用紙記入等 → データセンター
有害事象報告 → 効果・安全性評価委員会

 
  
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RAISE 研究班
厚生労働省医療技術実用化総合研究事業
重症川崎病患者に対する免疫グロブリン・ステロイド初期併用投与の効果を検討する前方視的無作為化比較試験