主任研究者
東邦大学医療センター
大森病院小児科

教授 佐地 勉

 

 2003年に急性期川崎病患者に対して免疫グロブリン超大量療法(IVIG療法)が保険適応となって以来、冠動脈病変の発生頻度は減少しつつあります。しかし、約20%の患者はIVIG療法に反応しない抵抗例であり、冠動脈病変を合併する患者の大部分がこのようなIVIG抵抗例に該当します。そのため、このような重症川崎病患者に対する新たな治療戦略の確立が望まれます。
 近年、IVIG抵抗例に対する追加治療として、また初期治療としてのIVIG・ステロイド併用療法の有用性が注目されております。そして今回、関東川崎病研究会を中心とした多くの施設と厚生労働省、大学病院医療情報ネットワークのご支援をいただき、重症川崎病患者に対する免疫グロブリン・プレドニゾロン初期併用療法の有用性を検討するための前方視的無作為化比較試験を実行するに至りました。先行研究から試算した結果、重症川崎病患者392名が研究遂行に必要な症例数と計算され、全体の重症川崎病患者を30%、エントリー率を50%として総計2400名の急性期川崎病患者の集積が必要となります。そのため、多くの施設の先生方にご協力をいただき、3年間の研究期間を目標に本臨床研究を終了する計画といたしました。本研究を遂行することによって川崎病初期治療における新たな治療戦略を確立するのみではなく、川崎病発見の地である日本から世界に向けて川崎病初期治療に関する新たなエビデンスを発信できると考えております。多くの先生方のご協力、研究へのご参加をお願いいたします。


 

日本川崎病研究センター

所長 川崎富作先生

 

 近年免疫グロブリン超大量療法により、心後遺症患者の発生頻度は減少傾向にあります。しかし第18回の川崎病全国調査では千例近い心後遺症患者の発生が明らかとなっており、未だ私たちは川崎病を克服しておりません。そのような中、重症川崎病患者に対する新たな治療戦略を確立するため、東邦大学の佐地勉先生が中心となり、免疫グロブリン超大量療法・プレドニゾロン初期併用療法の有用性を検討するための前方視的多施設共同研究を計画する運びとなりました。
 川崎病に対する新たな治療法を発見の地であり、最大の患者を発生する日本で行うことは私の長年の夢であり、臨床家の責務であると思います。最近途絶えていた日本から世界に発信できるエビデンスを是非多くの皆様のご協力を得て、作り上げていただきたいと思います。

 
  
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RAISE 研究班
厚生労働省医療技術実用化総合研究事業
重症川崎病患者に対する免疫グロブリン・ステロイド初期併用投与の効果を検討する前方視的無作為化比較試験